卵殻変塗漆香炉・冬の隣屋

翁 欣羽
WENG Xinyu

Details

作品ID:894
漆・木工 使う インテリア

About

雪災害を起こした2017年の金沢の大雪を経験したことは忘れられない思い出となったので、その思い出を作品として残したいと思った。
冬の厳しい環境と人間が作った家の中の暖かさが対照的であり、そこに生み出された美を表現しようと思った。
そこで、「厚く積もる雪」をこの作品の形の出発点として、雪に覆われた家と積雪の形を組み合わせた香炉を作ることにした。
自作においては家形のものはいつも「記憶の入れ物」を意味しており、作品を香炉にすると、家の煙突の形が香炉とうまく溶け込み、線香に火をつけると煙突から煙が出ることで、自然に生活の息吹を満たすことができた。
装飾に関しては、雪の質感、家の壁、そして内側の暖かい雰囲気の表出について考えた。
この作品で作りたい効果は、乾いた雪のざらつきであり、色はできるだけ白くすると同時に、雪を模倣するだけでなく、素材そのものの物質感を表現することを考えた上、外側は卵殻粉を蒔き、内側は朱漆を塗って暖かみのある感じにした。
この作品においても、漆の特性を理解する上で、素材が限られている場合、模倣することと物質感の間のバランスを取ることが重要であることがわかりそれがうまくいくように努めた。

Artist

翁 欣羽 WENG Xinyu
翁 欣羽

2011年から漆に出会い、漆の物質感と重層性、そして多素材との組み合わせにより生み出す豊かな装飾世界に魅かれて制作してきます。

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