博士前夜 -問いがカタチになる前に-

博士前夜 -問いがカタチになる前に-

このたび、金沢美術工芸大学大学院美術工芸研究科博士後期課程の学生8名による合同研究発表展「博士前夜 -問いがカタチになる前に-」を開催できますことを、心より嬉しく存じます。
 本展は、完成作品のみならず、スケッチやノート、試作など、表現や研究が「問い」から「カタチ」へと向かう過程―思考の萌芽と試行錯誤の軌跡―を敢えて公開する、新たな試みです。来場の皆様には、未完成の段階にこそ宿る可能性と創造の息吹を、ぜひご体感いただきたいと願っております。
 博士課程における探究とは、まるで深海へ潜るような孤独で果敢な挑戦の連続です。成果に至る道のりには、絶え間ない自己問答と内省が積み重なっています。本展では、8名の研究者・表現者が、それぞれの「問い」と、揺らぎ続ける思考の瞬間を、等身大で社会に提示しています。
 本学は創立以来、学術研究と表現活動の深化を支えてまいりました。本展が単なる成果発表にとどまらず、金沢における美術工芸文化のさらなる醸成と発展に資する場となることも、私たちの重要な使命の一つと考えております。地域社会と研究成果を共有し、新たな文化の芽を育む本展の意義は、極めて大きいと確信いたします。
 「博士前夜」は、完成品を並べる場ではなく、“問い”が生まれ、思考が交差し、未完成の可能性が解き放たれる場です。どうかご来場の皆様には、展示された思考の軌跡に触れ、創作や研究が形となる前夜の「躍動」と「逡巡」を感じ取っていただければ、これに勝る喜びはございません。
 最後に、本展開催にあたりご指導・ご支援を賜りました関係各位、並びに地域の皆様に、心より厚く御礼申し上げます。


掲載画像は以下のサイトより引用しております。
https://www.kanazawa-bidai.ac.jp/event/43228/

Artist

  • 荒木 いちご
  • 新藤美希、張揚、田中宏和、武超、劉天凱、王一帆、三澤直加

Detail

会場
金沢21世紀美術館 市民ギャラリーB(地下1階)
会場住所
〒920-8509 石川県金沢市広坂1丁目2−1
会期
2025年10月15日 〜 2025年10月19日
時間
10:00~18:00(最終日は17時まで)
詳細
https://www.kanazawa-bidai.ac.jp/event/43228/