渡邉泰成展 un natural realism
日本橋三越本店では、渡邉泰成氏の初個展「un natural realism」を開催いたします。
渡邉泰成氏は愛知県生まれ。2024年東京藝術大学大学院美術研究科先端芸術表現専攻修了。不完全な美 - 侘び寂び - という日本特有の概念を軸に、現代の文化や社会問題を主題としたアートワークから、独自の手法で彩色を施した日常的な食器、茶器などの美術工芸品まで幅広く手掛け、現代における陶芸表現を拡張し続けています。近年の活動は COMITE COLBERT AWARD 2022ファイナリスト選出、第 72回東京藝術大学卒業修了作品展メトロ文化財団賞受賞、暁展 -KOGEI competition- 最優秀賞受賞など、今後の活躍が期待されるアーティストの1人です。展覧会タイトル「un natural realism」は、日常における不自然な事象は全て現実であり、作者による想像の世界は常に我々の生きる時代の何処かに存在することを表しています。
自然物と異物の関係性に着目した「vegetables skin series」は、野菜や果物の持つ本来の造形美を覆い隠す不自然で異質な粒の存在があらゆるものを想起させると共に、完成された一つの美を壊し、新たな価値観と存在感を与えています。成熟した現代の消費構造の犠牲となった自然物を土という素材に変え再生させることで消費されることのない存在となり、日常と非日常の境界が曖昧であるというリアリティがそこに表現されています。
会場に同時展開する器作品は、ポップで鮮やかな色彩がシンプルな形状の器にグラフィカルに呼応しその世界観が表現されています。手仕事を重視する工芸において、シルクスクリーンやマスキング、デジタル技法を惜しみなく組み合わせ、作者の美意識を介し視覚化させることで現代における新たな陶芸の装飾表現を実現しています。しかしその本質は装飾がある種の犯罪という考えに対しての反骨と装飾文化と日本のサブカルチャーを軸とした、伝統技法を再解釈した自由な技法での表現によって作者自身がそれらの必要性について自己との対話によって導き出した作品であります。今展ではこれまでの制作の原点に立ち返った新作を多数展覧いたします。ぜひ会場で作品の数々をご覧ください。
Artist
Detail
- 会場
- 日本橋三越本店 本館6階 美術工芸サロン
- 会場住所
- 〒103-8001 東京都中央区日本橋室町1丁目4-1
- 会期
- 2024年7月31日 〜 2024年8月6日
- 時間
- 最終日は午後5時終了
- 詳細
- https://www.mistore.jp/store/nihombashi/shops/art/art/shopnews_list/shopnews0516.html