水元 かよこ
水元 かよこ MIZUMOTO Kayoko

非日常使いの、少し奇妙な陶芸作品を制作

Official Site KAYOKO MIZUMOTO

非日常使いの、少し奇妙な陶芸作品を制作

Artworks

Exhibitions

2024
10.19-11.3
水元かよこ展Kayoko MIZUMOTO Wisdom of Vanitas

水元かよこ展Kayoko MIZUMOTO Wisdom of Vanitas

京都府ギャラリー器館
だれかにお前は何を目的にして生きているかと、いきなり聞かれたとする。どきりとさせられそうだが、筆者ならその人の顔をのぞき込んで、そんなことはこちらが聞きたいくらいである、余計なお世話だと返しそうである。何のために生きているかということは、個人の秘密みたいな一面をもつものなのではないか。そういった青臭くも哲学的な問いは、まじめ人間ほど深入りしそうだが、そのような人たち、自分探しではないがなにやら悩みながら、納得させてくれる答えを求めてさまよう人のいかに多いことか。やはり不安なのである。わけても今の私たちはそうなのではないか。
 釈尊はこの世は無常に去りゆくものであり、しかも苦界であり、五蘊皆空、色即是空、人間本来無一物だという。しかし私たちはこれを静かに甘受できるだろうか。いっときは助かったような、救われたような気になるが、瞬時にして元の木阿弥に戻ってしまう。釈尊の教えは今生を超えているからかもしれない。この世は無常であるとか、無である、空であるということは、突きつめていえば結局これは死ぬのだという考えである。そう言われると身も蓋もにべもないが。
 しかしながら、私たちは死をあまりにも矮小化し過ぎているのではないか。生ばかりが肥大化して持てあましているように思われる。専門科学は死を遠ざけよう遠ざけようとし、不老不死まで可能であるかのようにいう。しかし、それでもなお死なねばならないという事実がある。死というただ一つ確実な未来というか必然が厳然とある。ときにはこのことを直視すべきなのではないか。たしかに私たちの存在は、滅亡とか虚無といった底なしの谷に、かろうじて掛けられた吊り橋のようなものかもしれない。しかしそこに掛けられ存在しているのは何なのか。はかない存在だが、死との対置において私たちは存在しているのである。死ぬから生きているのである。それは死とか無という絶対に拮抗しようとする有ともいえる。
 釈尊も今生に対する後生、後生といっても西方浄土というものではないが、死してのニルヴァーナ、安らぎを説いたのである。一休禅師はされこうべを竿の先に巷を練り歩いたという。死を思えということであろう…。
 今展初お目見えの水元かよこ。撮影用に到来した作品にはヴァニタスの魂壺(タマツボ)とあった。にょきにょき生えた触手はギリシャ神話のメドゥーサの頭髪を思わせる。重力に逆らって技術的にも非常に高度なものが窺われる。そしてある種の毒気を帯びつつ美しい九谷顔料でびっしり絵付けされている。手指の精妙なマニピュレーションが躍如としている。ヴァニタスとはなんぞやと思いきや彼女の添え文があった。
「ヴァニタスとは、十七世紀オランダ静物画で生の儚さや虚しさを表す一つのジャンルです。旧約聖書に由来する概念で、そのモチーフには死の確実さを表す頭蓋骨、人生の短さを表す時計や蝋燭、儚さを象徴する花、シャボン玉などがあります。しかし死に近づくほど生は眩しくはっきりと輝きながら浮き上がってくると私は思います。死に抗う赤い想いとヴァニタスのモチーフを明るく表現しました。」
 そう言われると見事に表現できていると思う。このような泰西絵画に現れる思潮は、ギリシャ厭世観に源流を発するのだろう。死の絶対的な断絶とその多次元性…、私たちに教示するものがある。昔の智慧は洋の東西を問わないのである。何卒のご清賞を伏してお願い申上げます。-葎-

2024
10.16-10.20
縁煌15周年展 -KOGEI TIDE-

縁煌15周年展 -KOGEI TIDE-

石川県金沢21世紀美術館
2009年10月のオープンより沢山の作り手の方々とお客様に支えられ、この度15周年を迎えさせていただくことになりました。
この場をお借りしまして、まずは御礼申し上げます。
この節目にこれまでお世話になって参りました70名を超える作家の方々のお力をお借りし、金沢21世紀美術館にて展覧会を開催いたします。

つきましては、大変お忙しい中かと存じますが、ぜひこの機会にお立ち寄りいただけますと幸いです。皆様のご来場を心よりお待ち申し上げております。

2024
4.20-5.5
水元かよこ「とびこえろ」

水元かよこ「とびこえろ」

東京都水犀
金沢近郊にアトリエを構え、セラミックアーティストとして活動している水元かよこさんの個展を開催します。
加賀友禅の工房で彩色、九谷焼の窯元で絵付けを学んだ経験を生かし、古典の表現を大切にしながらも、絵付けのモチーフや、作品の形態を独創的に創作しています。カラフルな色絵、赤絵、モノトーンの絵付けなどのポップで不思議な水元さんの世界をぜひご覧ください。 

2024
2.28-3.4
KOGEI フリーウェイ(工芸)

KOGEI フリーウェイ(工芸)

神奈川県横浜高島屋 7階 美術画廊
新たな価値観を与える感性豊かな作品を創作している1970年~1980年代生まれの作家による「KOGEIフリーウェイ」を開催いたします。
今展では、伝統工芸の枠組みから放たれ、個性を際立たせた自らの美を追求される工芸作品の数々を展観いたします。
明るい未来を予感させる競演をご高覧ください。

2023
6.28-7.11
「ONBEAT Art Show」

「ONBEAT Art Show」

愛媛県いよてつ高島屋 6F 美術画廊
バイリンガル美術情報誌『ONBEAT』は、2023年6月28日(水)〜7月11日(火)愛媛・松山に位置するいよてつ高島屋 6F 美術画廊にて「ONBEAT Art Show」を開催します。

本展は、日本の芸術文化を見つめ直し、その魅力を世界へ発信する同誌の誌面において、「ONBEATが推薦する注目若手作家たち」と題して展開している人気企画を、いよてつ高島屋と連動し、開催するものです。

出品作家は『ONBEAT vol.18』より、辻本健輝、德田竜司、原田とおる、いしばしめぐみ、髙橋宣光、高屋永遠、ニューロノア、水元かよこ、植田爽介。読者はもちろん、コレクターたちからも愛される彼らのよりすぐりの作品が一堂に集結します。ぜひご覧ください。

2023
6.2-6.12
山本冬彦推薦作家による工芸作品展

山本冬彦推薦作家による工芸作品展

東京都7F 枝香庵Flat
毎年若手作家推薦展を企画している枝香庵の荒井さんから工芸の展覧会をしたいという依頼を受けました。
荒井さんと私の二人に関係のある金沢在住、卯辰山工芸工房出身や装幀画展などで関わりのある作家さんたちから人選しました。
ジャンルは陶芸、漆芸、染色から各三名づつの方に参加していただきます。
多種多様な工芸の世界を楽しんでください。

2023
3.24-4.2
密なる世界Ⅱ

密なる世界Ⅱ

東京都セイコーハウス銀座 6階 セイコーハウス銀座ホール
北陸地域に制作の拠点をおき高度な技術で独自の表現世界を築いている漆芸の山村慎哉さん、陶芸の水元かよこさん、ガラスの塚田美登里さん、金工の釋永維さんの4人展をこの春4年ぶりに開催いたします。

2回目となる今展ではさらに密度の高い工芸表現を追求した4人の最新作が出展されます。

2022
12.9-12.11
KOGEI Art Fair Kanazawa

KOGEI Art Fair Kanazawa

石川県ハイアット セントリック 金沢
国内唯一、工芸に特化したアートフェア。
国内外31ギャラリーが集結。

KOGEI Art Fair Kanazawaは、工芸の新しい美意識や価値観を 「KOGEI」として世界に発信する、国内唯一の工芸に特化したアートフェアです。
世界有数の工芸都市・金沢に31ギャラリーが集結し、新進 気鋭の若手から世界で活躍するアーティストの作品が展示販売されます。

The only art fair in Japan that specializes in crafts. 31 galleries from Japan and abroad will exhibit.

KOGEI Art Fair Kanazawa is the only art fair specializing in crafts in Japan, providing a platform to showcase new kogei(crafts) aesthetics and values to an international audience. 31 galleries will gather in the world-leading city of crafts, Kanazawa, to exhibit and sell the works of both internationally renowned and up-and-coming artists.